初めて買ったレコードと、その人生 ~ EARTH,WIND&FIRE

EARTH,WIND&FIREという音楽グループが好きだ。

アメリカ黒人音楽というとJAZZ、そしてSOULだ。
いわゆるSOUL MUSICというと、全盛期は60年代半ばから80年代半ばだろうか。
80年代後半からニュー・ジャック・スウィングという言葉が加わり、そして言葉の生まれたその昔とは少し違った意味で、R&Bと呼ばれる打ち込み全盛の音楽になった。

そんなSOUL MUSICの歴史の中で、アースは1971年にデビューし、未だに現役。

私が初めて買ったレコードは、中学生の時に耳にし衝撃を受け、当時の天王町ニチイ(現SATY)のレコード店で買ったアースの13枚めのアルバム「RAISE!」。

それから次々とアルバムを求め、彼らの歴史を遡り、来日コンサートに足を運び、他のSOUL MUSICも多く聴くようになった。

彼らの音楽は独特だ。
マーヴィンこそSOULと信じて疑わぬ俄SOULファンからはSOULでは無い、と言われるだろう。
それは当然。
彼らがSOUL MUSICという括りにカテゴライズされないサウンドを目指しているから。
しかしメンバー夫々の音楽背景は古典的なJAZZやSOULなのだ。
時として聴こえる泥のようなグルーヴは生まれを隠せない。

が、長寿バンド。
1941年生まれのリーダー、Maurice Whiteは70歳を超えている。
今や他のメンバーも老人と言っても良い年齢だ。
私が聴くようになってからの彼らは既に大きく歳を重ね、年々ヒットチャートから遠ざかり、先端をゆくサウンドにも陰りを隠せなかった。
ファンは胸に重たいものを抱えながら、ニューアルバムを迎えねばならなかった。

2000年過ぎに知り合った九州のSOUL MUSICフリークの御大Kさん。
2003年に「The Promise」というアルバムがリリースされた時にKさんは怖くて聴けないと言った。
今でもそこいらのSOUL Barの店主に負けぬ知識と愛で、多くのSOUL MUSICを聴いていたその人を持ってして、アースは特別で、衰えを感じるのが怖かったのだ。

私はアルバム17曲中16曲めの「Let Me Love You」の感想を伝えた。
Kさんは「分かった、、」と返事をくれて、以後そのアルバムを手にしたか分からない。

その同年、アースの一部のメンバーが突如「Audio Caviar」というグループで「Transoceanic」というアルバムをリリースした。
最近知ったが、先のThe Promiseとこのアルバムのジャケット・デザインはアースのアルバムを手がける長岡秀星、横尾忠則につぐ3人目の日本人、Morito Suzukiというグラフィックアーティスト。
この手法もアースそのままだ。

そしてそのサウンド。
Audioと言う通りHi-Fiを意識した現代的な音質、Caviarと言うだけに贅沢なサウンド構成。
アースの汗尽きるまで踊るのとは違う、いわゆるスムースジャズと言われるような音。
IvanLinsをフィーチャリングしたブラジリアンテイストがあるのもアースそのまま。

と静かに聴き進めて行くと、15.Dominiqueで、はらはらと涙が落ちた。
クレジットを見ずとも、ヴァーダイン・ホワイトのベースだと分かる。
アル・マッケイのギターが聴こえる。
フィリップ・ベイリーのコーラスは言わずもがな。
咽びながら5分03秒が過ぎた。

EARTH,WIND&FIREは姿を変えながらいつも私の近くにいるのだ。

コメント

管理人:ふ゛り さんの投稿…
■Bossa Lary さん
何と、今日久しぶりにHEART MANのプレベで菊池桃子のベースラインなぞを弾いたらコメントがやってきました(笑。

それにしても有るんですなぁ。
確かに微妙にお高い。

例のジャズベは未だに売れていないようです。
お店の公式からは消えて、同ショップのYahoo!ショッピングのサイトに移動していますね。

20ン年前の同色・同程度のフェンジャパのジャズベ売っても幾らにもならないしなぁ。